ごやと妊婦生活

修羅の国、福岡での保活ログ。余力があれば海外ドラマ、映画のネタバレ感想とか書くかも。

「君の名は。」小説版

 

 映画が大変話題になっている「君の名は。

「小説版面白かったよ!」と勧められたので映画を観る前に読んでみました。

 

 

以下ネタバレと、ちょっと微妙だったよ。という感想なので嫌な人は見ないでね。

 

 

 

まず「映画超おもしろかったよ!」と言う方に分かっていただきたいのは、私が読んだのは小説版だ、という点。音楽も映像もなく「自分の中でイメージを膨らませる」という作業は時に書き手と読者の間に多少の齟齬を生むものです。そうすると、「思っていたのとどうも違うぞ???」という展開にぶち当たる事があります。今回は【ぶち当たった壁が私の理解では超えられない】という話をダラダラ書きますが、先に映画を見ていたら感想は違ったかもなぁと思っています。

 

ストーリーは「田舎の女子高生の三葉ちゃんと都会の男子高生の瀧くんが寝てる間に意識が入れ変わっちゃった☆ドキドキの男女交換ライフの始まりだよっ☆」て感じです。もうテレビで散々やっているので、まぁこんな説明は不要でしょう。

 

それでは小説で私がぶち当たった一番の壁をご紹介。

 

物語が半分くらい進んだところで瀧くんはある事実に直面します。

「実は自分と三葉ちゃんの生きている時間は3年ずれている」という衝撃の事実。

びっくりするよね。

うん、私もびっくりしたよ…。

 

今まで気が付かないお前にな!!!

 

何度かの入れ替わりを繰り返して「相手は実在する」という確信の元互いの生活を過ごしていた三葉ちゃんと瀧くん。

学校に行き、バイトをし、家族と会話し、デートの約束をする。

そんな日常を送っていたらカレンダー見ますよね?寝た時に「明日は月曜かー」と思って目が覚めたら水曜だったら「火曜はどこに行った?」ってびっくりしますよね?

瀧くんがこの時差に気が付くのは100P過ぎた辺りなんですが、それまでそんな描写1個もなかった!なかったよ!

「実在する」という確信を得る際に日付の違和感を感じないでいられるものなの?というモヤモヤで、瀧くんの気持ちに全然寄り添えなくなってしまいました。

 

この「3年差」というのが作品のキモなので、どうしても成立させたい監督の気持ちは分かります。分かりますが、ちょっと描写が乱暴というか適当すぎませんかね…?

 

「実は〇〇でしたー!」というのは前提がしっかりしているほど驚きがあり、「だまされた!」という喜びも大きくなります。

 

だから私読み直しました。瀧くんを責める前に「読み飛ばした行があるかな?」と思って前提を探しに最初に戻りました。

しかし瀧くんは毎朝おっぱいを揉み、女子高生ライフを満喫するだけ。

一度違和感を感じるとおっぱいの描写は良いから、テレビを見た描写とかないの?と苛立ちすら感じるんだから人間って不思議!

 

日常パート自体は割りと細かく描かれている分、書かれていない部分が「違和感」としてくっきりと浮かび上がってきてしまった感じです。

だから、後半に入り彗星だ何だで事実が発覚するけど、そこまでしないと気が付かないの?と思ってしまうんですよね。もっと前に気が付けよ、と。

 

「本人の体に戻ると入れ替わっていた時の記憶は曖昧になる」という設定はあるので、自分の体の時に認識できない説明は出来るかと思いますが「相手の体に入っている時に違和感を感じて即日確認する」事は可能ですよね。

てか普通入れ替わった時点で自分の様子を見に行かないものなのかね?と思います。

「入れ替わり」という超異常事態が現実に起きてると認識した時点で「普通の高校生活」送るなんて置いておいて学校さぼってでも「自分の日常」の確認に行くんじゃないのかなー、なんて。少なくとも自分だったら日帰りで行ける距離なら行っちゃうなぁ。

 

まぁ、そんな事を思いながら読むから当然残りの100Pもあまり感情移入出来ませんよね。結果「君の名は。」は私の中ではイマイチしっくりこない小説フォルダにぶん投げられてしまいました。

もう二言付け足すなら

①後半のファンタジー要素はまぁ良いとして父親の説得⇒避難の流れもぶん投げってのはどうかと思います。乱丁本なのかと思いました。マジで。

②なんで瀧くんと三葉ちゃんが相手を好きになるのか分からないんだけど、結びの力って事ですか…?どっちかって言うとそれぞれのお友達好きになる方が自然じゃない?霞が関で働いてるお父さんや謎めいた婆さんの事は知ってても、本人の事何も知らないよね?

という点も没頭できなかった原因かなと思います。

 

ただ、映画を観た友人達は「すごく感動した」「3年差も素直に驚いた」と言っていたので、恐らく音楽や映像が加わるとあんまり気にならなくなるんじゃないでしょうか。

気になるのは↑のコメントは20代男子で、同年代の女性からは「面白かったけどl引っかかる点もそれなり。まぁ気にしないなら楽しめる」というお言葉を頂戴した事。

この映画がしっくりくる条件にそもそも自分が当てはまっていない可能性があるのであえて映画館には行かないでおこうと思っています。はやく始まれDVDレンタル…!